ことのはのもり

~ここは 心のさんぽみち~

【作品】なかよしこびんちゃん2 ~ こびんちゃんのぼうけん

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https://osamposampo393.hateblo.jp/entry/2021/08/13/153723

 

 

赤色リボンちゃんとふじ色リボンちゃんは、いつも一緒の、なかよしこびんちゃん。あやちゃんとちーちゃんがつくる遊びを毎日楽しみにしています。

 

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今日は雨。

お庭をながめていると雨がぽたぽたぽたと、おおきな窓ガラスの上から下へ伝っていきます。

お庭のシマトネリコ の枝や葉も雨でおもたそう。

あやちゃんとちーちゃんは、おさいほうばこを出してきて、こびんちゃんたちの服をつくってあげよう、と、

かわいい柄のハギレをならべてあれこれ相談していました。

 

こびんちゃんたちは、そのそばで雨をながめたり、おさいほうばこの中をみたり、、、

 

「ね、あれ、なにかな、きれい!」

赤色リボンちゃんがふじ色ちゃんに言います。

 

おさいほうばこの上の段に、しかくくてピンクのクッションがあって、真珠のような、白や黄色やグリーンの粒々がならんでいます。

 

「ふふふ♪」

ちーちゃんが、白の粒をつまんでシュッと持ち上げると、、、

 

きらりん!

 

それは真珠の持ち手の、細くて長い剣でした。

 

あまりにきれいで、こびんちゃんたちははっと息をのみます。

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ちーちゃんは、あやちゃんに言われたとおりに、その剣を可愛い柄の布の端っこにすいすいと刺して止めました。

 

「ここをまち針でとめておいて、こことここを縫ってひもを通したら、マントになるでしょ」

 

あやちゃんが説明しています。ふたりは針に糸を通し始めました。

 

赤色ちゃんとふじ色ちゃんは顔を見合わせてにっこりしました。

 

マントをひらひらさせて、

腰に剣をつけて、、、

ぼうけんだ!

 

それはとても楽しいにちがいないのです。

あやちゃんとちーちゃんに持ってもらって、空をとぶこともできる。

 

そんなことを思いながら、もう一度おさいほうばこを見てみると、きれいな色の真珠がたくさん、、、

 

「わたし、あれがいいな」

赤色ちゃんは、白の真珠をさします。

「わたしは、あれ」

ふじ色ちゃんは、黄色のを。

 

眺めているうちに、どうしても持ってみたくなったこびんちゃんたちは、そっとおさいほうばこに近づいてちーちゃんがしたように、シュッとぬいてみました。

 

きらりん!

 

あーなんて素敵。

 

こびんちゃんたちは、真珠の剣を持ったまま、窓のところまでやってきました。

 ガラスの向こう側を、雨粒がつたっておりてきます。

 

「雨の粒々を、この剣でとれたらおもしろいね」

「やってみようよ」

 

こびんちゃんたちは、そろり、と窓を開けてお庭に出ました。

 

「やーやーやー!」

「えいっ、えいっ」

 

やみくもに剣をふりますが、雨粒を串だんごのようにすることはできませんでした。

 

「雨の粒々がならんだらきれいだと思ったんだけどなぁ」

 

近くに、お庭のシマトネリコ が見えます。

いつもおうちの中からしか見たことがなかったけれど、そばで見上げてみると、なんとなんと、高いこと!

 

「あの木の上の枝のところまでのぼったら、おうちの中のあやちゃんとちーちゃんがみえるかも」

「やってみよう!」

 

こびんちゃんたちは木の根元までテケテケと走っていきました。根元までくると、ますます大きな木です。

 

きらりん!

 

かっこよく剣をかまえた赤色ちゃんが、ツン、と木の幹に突き立てて、真珠のところを持って、ぽよよん、ぽよよん、と上下に弾みをつけました。

 

「ふじ色ちゃん! こうして、ぽよよ、よーんって、上までとべばいいんだよ」

 

そうか、とふじ色ちゃんは同じようにやってみました。

 

こびんちゃんたちは、しばらくまち針の端でぽよよんぽよよんと、上下に揺れて、

 

せーのっ

 

で、上に飛びました。

そして思っていた枝に、チョン、と着地しました。そこからはほんとうに、お部屋の中のあやちゃんとちーちゃんが、見えたのです!

 

「みえたー!」

「やったー!」

 

 

あやちゃんとちーちゃんはというと、手元に集中して、一生懸命マントを作っていましたので、こびんちゃんがいなくなったことに気づきませんでした。

そしてとっても可愛い、こびんちゃんにぴったりのマントができました。

作り終わって、さ、かたづけましょうというときに、

まち針が2本たりないことに気づきました。

針はあぶないから、かたづけるときに、ちゃんと数が揃っているかたしかめるのよ、といつもおかあさんに言われていたからです。

 

「あれ、こびんちゃんもいない」

あやちゃんが、テーブルの下をのぞきこんで、落っこちてないかたしかめました。

ちーちゃんは、椅子のクッションをひっくりかえします。

いません。

 

あれーと、首をかしげて窓の方をむくと、なんと、こびんちゃんたちがお庭の木の枝にちょこんと座ってこちらをみているではありませんか。

 

「あなたたちどうやってそこにいったのー‼︎」

あやちゃんとちーちゃんはびっくりです。

 

でも、木の幹のところにある、きらりんと光るまち針を見て、ははーとわかったのでした。

 

「あはは、お迎えにいってあげよう」

 

あやちゃんとちーちゃんは、傘をとりに玄関に走りました。

 

こびんちゃんたち、おりかたは考えていなかったのです。

 

ちーちゃんはあやちゃんの頭がぬれないように傘を持ち、

あやちゃんは背伸びをして両手を伸ばしておわんのようにすると、

こびんちゃん達が、ピョン、とその手の中に飛び降りました。

 

「ぼうけんをしたんだね。おうちに入ったらきれいにふいて、マントをつけてあげるね。剣も、遊ぶときだけは腰につけてもいいよ。こびんちゃんのぼうけんのおはなし、きかせてね。」

と、あやちゃん。

「けがをしたらあぶないからね、でもまち針、きれいだもんねぇ。」

と、ちーちゃん。ちゃんと幹から2本引っこ抜いてお部屋に戻りました。木の幹にも、よしよししてあげるのを忘れませんでしたよ。

 

お部屋にもどった赤色リボンちゃんとふじ色ちゃんは、とっても満足そうでした。

つぎはどんなぼうけんができるかな

 

story by Nao♪

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No.3こびんちゃんのお菓子づくり

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